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今回は、うつ病の原因や治療法、チェックリストなどをご紹介します。
うつ病とは
まずは、うつ病とはどんな病気なのか見ていきましょう。
うつ病って何?
うつ病とは、精神的な不安感や焦燥感を過剰に感じ、肉体面では食欲不振、不眠症状などがおこる精神疾患のことです。
うつ病はこれまで「精神的な病気」とされてきましたが、近年の研究結果「脳の病気」であることが分かり、薬物療法が主流になってきています。
薬物療法の進歩の結果、80%以上の人が治療を開始後、2~3週間ほどで何かしら改善の効果がみられるようになりました。しかしうつ病を患っている50%以上は、治療を受けずに過ごしているというデータがあります。それはうつ病を疾患しやすい人の性格的なものが、治療を受けないという選択肢を選んでいることが原因の1つだと考えられます。
うつ病は日常生活にそれほど影響のない軽度のものから、自殺を企てるような生命に関わる重度なものもあります。また、うつ病にならないような意識改革、食事改善、生活改善をしないと再発症する可能性も。
浮き沈みがありつつ20年うつ病を患ってしまった場合、10人に1人は自殺すると言われています。また、女性のほうが男性に比べうつ病になりやすいというデータも出ています。
うつ病とはどんな状態か
うつ病は感情や生命の機能に障害を生じさせる病気です。
もう少し具体的に表現すると、「感情の機能障害」や「思考の機能障害」または「意欲の機能障害」が自律神経系の症状と共に現れた状態をいいます。
うつ病になると感情の機能障害が起きます。何事にも批判的思考になったり、自身を褒めたり認めたりすることが不可能になったりして、希死観念を抱くようになることも。ここからさらに自律神経系がおかしくなるのがうつ病の特徴です。それらが一緒になると、不安感や焦燥感、抑うつな気分が出てきます。
またうつ病による思考の機能障害ですが、マイナス思考への偏り、集中力がなくなる、考えをまとめられないなど思考の異常が見られます。
最後に意欲の機能障害とは、やる気がなくなり、意欲が低下している状態です。
どれくらいの人がうつ病になっているの?
アメリカ合衆国は、生涯でうつ病を発症する人は男性で10%、女性は20%という調査結果が出ています。つまり女性のほうが男性よりもうつ病にかかりやすいということがいえます。
日本でも女性は20人に1人がうつ病だと言われています。これは40人学級で男女同数(20人ずつ)と考えた場合、クラスに1人はうつ病を発症するという計算です。またうつ病という認識を持てずに、身体に何かしら症状が現れている人の数も含めると、その人数はものすごい数になっていると考えられます。
うつ病は「外出することもできないぐらい辛い」というイメージがあります。しかしそういったうつ病を患っている人よりも「うつ病の認識がなく、苦しみながら日常生活を過ごしている軽度のうつ病」の人の方が比率としては多いです。
データ上の患者数と、身の周り様子に差がある理由はそこにあります。軽度の場合、うつ病の診断や治療が遅れるため、うつ病を進行させてしまうことが多いです。ただし、軽度のうちにうつ病と診断されれば、投薬治療だけで症状を改善できるとも言われています。
うつ病の原因と、うつ病になりやすい人の特徴
うつ病の原因とは?
うつ病の原因は、大きく分けると2つあります。「環境的要因」と「身体的要因」です。
環境的要因
環境的要因によって発症するうつ病は、ストレスが原因。
以下は、環境的要因のストレスの一例となります。
- 人間関係
- 仕事や学校
- 生活環境の変化
- 育児
これらのストレスによってうつ病を引き起こすケースが多いと言われます。しかしそれらのストレスは、日常生活を過ごしていれば誰もが経験するでしょう。普段は何かしらの方法で、そのストレスを軽減させて生活しているのです。
しかし中には、ストレスを軽減できない人もいます。そうなるとストレスを溜め込み、結果うつ病になってしまうのです。
身体的要因
身体的要因によるうつ病で、考えられる症状は主に以下の通りです。
- 慢性的な疲労(仕事や育児)
- 病気
- ホルモンバランスの乱れ
- 薬の副作用
慢性的な疲労であれば、休養をとることで防げます。しかし、病気や薬の副作用が原因の場合は医師に相談しないといけません。またホルモンバランスの乱れからくるうつ病は、女性に多いと聞きます。
心と身体は繋がっています。心身のどちらかに負荷がかかると、もう片方にも負荷がか
かってしまうということになります。休ませるときはしっかりと両方、休ませることがとても大切です。
原因がはっきりしない場合
うつ病で原因がはっきりしない場合、無意識のうちに心身へ負担がかかります。休んでもうつの状態が改善しないどころか悪化していき、自殺願望などの希死観念が出てきたら危険信号です。
うつ病になる人は我慢強く、嫌なことから逃げられない人が多いです。心身の不調は無意識のうちにと言いましたが、何かしらの形でSOSは出されています。そしてうつ病になる手前ぐらいには、それに多少なりとも気が付いているはずです。SOSを無視せず、または我慢せず、受け止めてください。
うつ病になりやすい人の特徴
何をするのも面倒くさい、仕事も人間関係も放り投げたい、何をしていても楽しくない、生きている価値がない…こんなことを思ったことはありませんか?
一時的な感情なら、上記のような心境になることはあるでしょう、しかしこの状態が長続きしている場合、うつ病のおそれがあります。
今や誰もがかかる可能性が高い病気といわれるうつ病。以下がうつ病になりやすい人の特徴と言われています。
- まじめ、人よりも几帳面、かつ責任感が強い
- 完璧主義者
- 自分を責める傾向がある
- 身の周りの事はすべてを自分でする、他人に任せられない
- 柔軟に考えられない、自分の考えに固執する
- 他人の評価を異常に気にする
- 常にネガティヴ思考
- 自己主張ができない
- 常に他人に気配りをしている
上記に当てはまる=うつ病になるとは限りません。
上記に何も当てはまっていないのに、うつ病になる人だっています。あくまでも参考程度の内容です。
また生活バランスとうつ病も大きく関連しています。無理を続けた結果、生活バランスがおかしくなり、それが原因でうつ病になるケースもたくさんあります。
他にも離婚、転職、リストラ、パワハラ、転居、いじめ、病気、借金、長時間労働、流産、産後などはうつ病のきっかけとなるケースとして有名です。
うつ病の種類
うつ病の種類
ストレス多き現代社会では、うつ病を発症する人が年々増加傾向にあります。
うつ病の原因、症状は同じと思われがちでしょう。しかし実は、いくつかの種類に分かれています。
- 定型うつ
- 新型うつ(非定型うつ)
- 仮面うつ
- 喪失うつ
- 引っ越しうつ(白壁症候群)
- 老年期うつ
- 産後うつ
定型うつ
これは一般的に皆さんがイメージされるうつ病です。不眠、食欲の減退、無気力などが起こり、社会生活を送るのが困難になっていくのが特徴です。
新型うつ(非定型うつ)
新型うつ病は、通常のうつとは異なる症状が現れます。一般的には食欲や睡眠欲が減退しますが、逆に過剰になったり、自分の好きなことや興味のあることも普通に楽しめます。定型うつならとても楽しめるなんてことありえません。
ただプライベート以外(仕事)になると無気力になったり、集中力が低下したりします。「休日はあんなに充実しているのに、平日になると何だあのやる気のない態度は?」「甘えるんじゃない!」と、思われてしまうことも。
仮面うつ
精神的な症状よりも身体的な症状(倦怠感や肩こりがひどい)が現れます。そのため仮面うつはうつ病と気づかれないことも少なくありません。また最近では、仮面うつ病はうつ病の初期症状ではないかもしれないと考えられています。
喪失うつ
喪失うつは家族や恋人、友人、ペットなど大切な存在を何かしらの形で失った時に非常に大きなストレスを感じ、発症するうつ病です。
引っ越しうつ
引っ越しうつはその名の通り、引越しによる生活環境の変化が原因で起こるうつ病です。
老年期うつ
老年期うつは65歳以上の高齢者が発症するうつ病を指します。原因は子供の独立、退職、旦那さん、もしくは奥さんとの死別等、環境の変化などと言われています。
ただ「無気力になっている」「1日中ボーっとしている」という症状から認知症の初期症状と勘違いされることがあります。
産後うつ
産後うつは出産後半年以内に発症するうつ病です。ホルモンの急激な変化、また「1人の女性から母に」という環境の変化から発症すると言われています。
うつ病の症状
うつ状態と躁状態
うつ病と言っても症状は様々で、中にはうつ状態と躁状態をくり返す、「躁うつ病」というものがあります。そのようなタイプは、一般的なうつ病とは違う治療方法がとられます。
それには薬が違うという理由もありますが、他にも違いがあります。
うつ病は完治が見込めますが、躁うつ病は完治ではなく、投薬による寛解状態の維持となります。がんと同じと思ってください。
躁うつ病は気分が明るい時(躁状態)には、気が大きくなってしまいます。買い物をしすぎて借金を作ってしまったり、気分が高揚しつい人を殴ってしまったりと、トラブルの原因を作ることも。しかし一方でうつ状態に入ると、落ち込みが酷く、自己嫌悪に陥ったりします。
このようなタイプの場合はきちんと受診し、適切な処置をしましょう。また、そのような人をからかう人がいますが、好きで躁うつ病になってしまった訳ではないので、決して心無い行動や言動はしないでください。1番つらいのは本人です。
うつ病による身体的症状
うつ病は心の病気だと言われてきましたが、今では脳の病気(脳のエネルギーが欠乏した状態)とされています。
脳は心身を管理する司令塔です。その司令塔が異常をきたすと、精神や肉体に大きな影響を及ぼします。
例えば、朝早く目が覚めて、その後再び眠ることができないという症状が。睡眠時間は、下手したら3~4時間程度しか取れないのではないでしょうか。
休息が十分にとれない状態が毎日のように繰り返されると、状況はさらに悪化していきます。
他にも食欲がなくなる、何を食べても美味しく感じられない、倦怠感や頭痛など……身体に何らかの不調を感じているにも関わらず、原因が特定できず、身体に異常がない場合うつ病を患っている可能性が高いといえます。
このように、うつ病によって表れる身体の症状は、とても多様です。かつ胃腸などに直接的原因を求めたくなる症状が多いので、うつ病の特定は難しいとされています。
うつ病は治る
うつ病って治る病気なの?
うつ病になると、もう通常の生活に戻ることは不可能だと思ってしまう人が多くいます。
しかし、うつ病はしっかり向き合い、治療していけば治る病気です。
とは言え、うつ病になると「もう治らない」と思い込んでしまいがちです。うつ病の状態では「治る」という前向きな思考になりにくいもの。その結果「治らない」という結論に至り、治療を放棄してしまうケースも多いのです。
また短期間で回復させようとすると、心身が付いていけず悪化してしまう可能性もあります。ゆっくりと着実に、時間をかけて回復しようとする気持ちを持つことも大切ですよ。
しかし、できるだけ初期段階で治療を開始することで早期回復が見込めます。自分の心や身体に違和感を感じた場合、すぐに医師に相談してください。
うつ病の回復の過程と完治
うつ病の症状は治療によって回復します。しかし、急に回復するケースはあまりありません。一般的にはうつ病の原因が解決することで、少しずつですが症状が回復していきます。
うつ病の症状は日によって異なり、ひどい鬱状態の日がある反面症状が軽く調子の良い日もあったりします。山あり谷ありという感じですね。
うつ病が治っていくと、うつ病の症状が軽い日が増えてきます。
加えて、うつ病が治りかけた時期に気持ちがイライラすることもあるようです。これはうつ病の症状が悪化した訳ではなく、うつ病が治りかけている証だと考えて良いのだそう。
うつ病の完治とは?
うつ病が治りかけた状態で、多くの人がぶつかる壁。それは「うつ病の完治はどこなのか?」というものです。
薬の服用が減っていき、必要なくなったと判断された場合、または治療を続けてきた結果、治療の終了を診断されたとき、と一般的には考えられます。
薬などによる治療をやめてからの半年間は、経過を観察するためカウンセリングを受ける必要があります。何故なら、うつ病は再発する可能性が高いからです。また、自己判断で薬の服用を止めたり、通院をやめたりしてはいけません。医師から治療の終了を診断されるまではきちんと通院しましょう。
うつ病の治療
うつ病の治療のポイント
うつ病を治すには、休養、そして薬による治療が基本になります。うつ病の原因はストレスであることが多いので、まずは心身ともにゆっくりと十分な休養を取ることが大切です。仕事や学業、家庭のことを一旦横に置いて、心身がゆっくりと休める環境を作りましょう。
休養をとりながら、うつ病の原因となっている脳内の神経伝達物質の働きを正常に戻す薬を用いて治療を行なっていきます。
こちらが一般的な治療方法ですが、薬を用いた治療に抵抗を持つ人が多いとも聞きます。うつ病は本人の気持ち、性格を改善したから治るものではありません。適切な治療を行なわないでいると、症状はますます悪化していきます。
もしうつ病にかかっているのも関わらず、治療を躊躇している人がいたら、ゆっくりとした休養と薬による治療を受けるよう働きかけてあげてください。
うつ病の治療法は薬物以外にも…
うつ病の治療には、薬物以外のものも多く含まれます。そのうちいくつかをご紹介します。
アロマ
アロマがうつ病に効果的なこともあります。
日本において、アロマテテラピーは民間療法の一種として扱われていますが、国外では医療現場で用いられるケースがあります。科学的な根拠は明確になっていませんが、アロマテラピーによってうつ病が改善した症例もあります。うつ病の改善のためにアロマを用いる場合、雑貨店で売られているものではなく、高品質のアロマを使ってください。
メディカルアロマと検索すると、うつ病に効果があると言われる高品質のアロマがいくつか出てきます。うつ病の改善に効果があるとされるアロマはラベンダー、ベルガモット、サイプレス、クラリセージ、ローズマリー、ローマンカモミールなど多数あります。実際に匂いを確認し、「これだ」と思うものを選ぶといいでしょう。
またアロマを使ったマッサージを自分で行ったり、アロママッサージを受けたりすれば、リラックス効果だけでなくリンパや血液の流れ改善も見込めます。
アロマに副作用はないとされていますが、アロマ使用後日光に当たってはいけない、妊娠中の使用はNGなど使用上の注意はいくつかあります。事前にしっかり確認しましょう。
漢方
副作用や依存性が怖いから、薬物療法を考えたくない方も多いでしょう。
しかしうつ病を放置しても、自然に改善していくことはありません。それでも薬物療法だけは避けたいとお考えなら、漢方薬で改善を目指してみてはいかがでしょうか。
ナインティナインの岡村隆史さんが、ツムラの酸棗仁湯(サンソンニントウ)という漢方薬を使ってうつ病を克服したと聞きます。漢方薬にはそれほど副作用はないといわれていますし、途中で服用を止めても問題ありません。
漢方薬の本質は体質を改善し、心身のバランスを整え、自己治癒力を向上させることです。また心療内科で処方される薬と漢方薬を併せて使うことも可能ですが、医師への相談が必要になります。また漢方薬に切り替えると、処方されている薬を無断で止めなくてはいけません。
また漢方薬は保険適用外のため、専門店で購入するとそれなりの値段がします。ただうつ病の治療に漢方薬を取り入れている病院もあります。そのような病院にかかれば漢方薬にも健康保険が適用されますから、経済的な負担が軽く済むでしょう。
TMS治療法
うつ病治療において「TMS治療法」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
TMS治療法はメジャーな治療法ではなく、健康保険適用外の治療方法です。(某病院では1回19800円、30回で594000円の治療費がかかるようです)しかし、いくつかの病院で導入されています。
またその治療法に懸けてみたいとその治療を求めたとしても、採用している病院には限りがあり、かつ利用条件もあります。誰でも受けられるものではありません。
具体的には、頭の外側から脳細胞に磁力刺激を与えるという治療方法です。今のところ副作用はないとされていますが、まだまだ治療方法として確立されていませんので、未知の副作用がある可能性も否定できません。
また一時的に改善しても再発してしまったり、効果がみられなかったりすることもあるようです。そのため、かかる費用を考えたら迷う人が多いと思います。
今後、画期的な治療法として成長していく可能性もありますが、金銭面を考えると他の治療法をおすすめします。
心理療法
うつ病治療では、薬物療法で心身を調整するのと同時に、根本的な原因を改善する必要があります。その方法が心理療法です。
心理療法では臨床心理士と、「思考を変える訓練」をしていきます。
うつ病にかかる人というのは、どちらかと言えば真面目で責任感が強い人が多いです。そのため悩みや問題があっても人に頼らず、どうにか一人で解決しようと思ってしまいがち。そういった中でストレスが溜まり、うつ病になってしまうのです。
そこで考えを変えていきます。もし責任感を求められる場面でも「今の自分ではできないかもしれない」と自分の能力を素直に認めたり、1人で解決しようとせず「人に相談しながらならできるかもしれない」と考え方をシフトする「認知療法」を取り入れたり。こちらもうつ病の改善には効果的でしょう。
鍼灸(針治療)
うつ病の治療が長期化している場合、鍼灸(しんきゅう)による治療をおすすめします。
鍼灸によってうつ病がどう改善するのかは、いまだによくわかっていません。ただ回復例が山のようにありますので、一度は試してみる価値があるかと思います。
東洋医学では、精神の病気は身体面の不調から引き起こされると考えられています。鍼灸を行うことで体調を万全にして、自己回復能力を高められるのだそうです。その他、不眠や胃腸の不調改善にも効果があると言われています。
ただし、鍼灸師の腕は人それぞれ違います。上手い下手もありますので、インターネットの口コミなどを調べて慎重に鍼灸院を選びましょう。
できれば、うつ病治療に力を入れている鍼灸院で施術を受けたほうがいいです。とはいえ1~2回鍼灸治療を受けて、全快するわけではありません。何度も通い、時間をかけて、鍼灸治療を行ってみてください。
うつ病だと感じたら
うつ病かどうか心配な方はチェック!
うつ病かどうかチェックをしたい方は、以下の項目に該当しているか確認してみてください。
- やる気がまったく出ない
- 眠れない
- 自殺したくなる
- 喜怒哀楽がない
- 不安で毎日がいっぱい
- 午前中、もしくは夜になると無気力になる
- 集中力がまったくない
- 注意力もまったっくない
- 毎日がつまらないと感じてしまう
- 口数が減少した
- 決断力が低下してきた
- 人付き合いが減った
- 仕事に行くのが毎日辛い
- 食欲が落ちてきた
- いつもより怒りっぽくなった
- 自分を責めてしまうことが多くなった
- 理由もなく涙が止まらない時がある
- 身体がだるい
- 騒音が気になる
- 音楽やテレビ、映画に関心が持てない
- 好きなものに興味が無くなった
- 朝起きるのがつらい
- 夜中に何度も目が覚める
- 他人との会話に集中できない肩こりや首が痛い
- 頭痛が慢性化している
- 食事がのどを通らない、もしくは美味しく感じない
26のチェック項目中、何個が該当しましたでしょうか?
これらの事柄に全く該当しないのであれば、安心してください。あなたの心は健康だと思って大丈夫でしょう。
しかしいくつか思い当たれば、それはうつ病の可能性、もしくはうつ状態がうつ病になっていく予兆かも知れません。
うつ病かなと思ったら
上記の項目をチェックし心配だと思った方に向けて、お話を進めていきます。
うつ病の症状は、単なる体調不良や「気合が足りない」と思って見逃してしまうケースが多々あります。特に、初めて症状が出た人なら尚更でしょう。
うつの症状を知らず、経験がない人しか周りにいなかったら、助言を受ける機会もなく放置されてしまいます。それではうつ病がひどくなり、治療が大変になってしまうでしょう。
もし上記の項目にいくつも該当したら、体調不良と決めつけず、うつ病の可能性が半分以上あると考え病院に行きましょう。
うつ病の診察を受けるには何科へ行けばいいのか
うつ病かな?と思ったら、まず精神科や心療内科に行きましょう。精神科や心療内科は病院のような大きなところだけではなく、駅前や地元の近くにありそうな診療所やクリニックも含みます。インターネットでチェックしてみるといいでしょう。加えて保健所でも相談・紹介を行っています。
うつ病の治療は1~2回で終わることはありません。半年から1年程度は定期的に通院することは覚えておいてください。
またうつ病の治療には医師との信頼関係が大切なポイントとなります。
- あなたの話をきちんと親身に最後まで聞いてくれるか
- 患者さんの疑問に分かりやすく答えてくれるか
- 副作用についてしっかり説明してくれるか
など、意識して見極めましょう。
すぐに効果が出ないからといって心配したり焦ったりしなくて大丈夫。治療法や医師の指導に疑問を感じたら、不安にならずに医師に質問しましょう。
うつ病は風邪と同じで早期発見、早期治療が大切です。また、誰でも発症する可能性がある病気なので、診察に対して抵抗感を持つ必要はちっともありません。
うつ病になったら生命保険には入れない?
うつ病になってしまった場合は、生命保険に加入はできるのでしょうか?結論からいうと、うつ病になると生命保険に加入するのが非常に難しくなってしまいます。
理由として「うつ病は心の病気で自殺する可能性が高いため」と言われています。保険会社はどうしてもリスクが大きいと判断してしまうのです。そのためうつ病だと加入を断られるケースがほとんど。
しかしうつ病のことを隠して生命保険に加入してしまうと「告知義務違反」になり、契約解除されるうえ保険金も支払われません。
ただしうつ病になったとしても、次のような場合は加入できる可能性があります。
- うつ病が完治してから5年以上経過している
- うつ病でも加入できる保険
- 無選択型保険に加入する
うつ病でも加入できる保険を販売している保険会社もあるので、そういった保険を探してみるのがおすすめです。またどうしても保険に加入したいなら、通常の保険より保険料は高いですが無選択型保険であればどなたでも加入できます。
うつ病を理由で休職できる?
学生など時間に余裕がある場合は良いのですが…社会人の場合どうしても気になってしまうのが、うつ病が理由で休職できるのかどうか、ですよね?
結論からいってしまえば、うつ病が理由で休職することはできます。
早い段階で治療を受けられた場合、薬を飲みながら仕事を続けることもできますが、休職された方が望ましいです。
しかし、急に会社に「うつ病なので休職したい」と言ってもその場で受理されることはありません。きちんと専門の医師に診断書を書いてもらう必要があります。
医師によって異なりますが、一般的には2ヶ月~3ヶ月程度の休養を指示されると思います。その期間も診断書に記入してもらい、会社に提出してください。また、休職期間は絶対仕事のことを考えないようにしたほうが良いでしょう。
休職中は、自分が楽しいと思うようなことを積極的に行い、気分転換してリフレッシュするのが1番です。医師と相談し、必要に応じて休職期間を調整しましょう。
うつ病とアルコール依存症の関係
うつ病の人には、アルコール依存症を患うケースもあります。アルコールはうつ病を知らせるサインの1つです。もし家族や友人、恋人が急にお酒を飲む量が増えたりしたら、うつ病を疑ってください。
うつ病になると不眠、脱力感、焦燥感が通常以上に出てきます。それを紛らわせようとしてお酒の量が増え、結果アルコール依存症になっていくのです。
お酒によって、心身にいい影響が出ることはありません。またうつ病患者のアルコール依存は自殺リスクを高めると言われています。うつ病患者にはアルコールを摂取させないよう、特に注意しましょう。
うつ病予防の七か条
ここで、うつ病予防のために心がけたい7か条をお伝えします。
- 完ぺきを求める日々からサヨナラし、「まぁいいいか」の気持ちを持ちましょう。
- 常に頑張らない。基本は力を抜いてリラックス。
- 完ぺきな人間はいません。頑張ったら自分を褒めましょう。
- 何でも一人で背負わない。たまには他人の助けを借りよう。
- 他人の評価や顔色を気にしない。自分自身を大切にしましょう
- 体調が悪いときは無理をしない。自分第一、健康第一。
- 睡眠と美味しくて健康的な食事、適度な運動を心がけましょう。
ただ予防をしていても、それでも何か別の要因でうつ病になってしまう人もいるでしょう。
完ぺきな予防法ではありませんが、90%はこれで予防できるのではないでしょうか。
そして何より……うつ病かなと思ったら早めに心療内科に行きましょう。
うつの状態に入るとき
最後に、うつ状態についてお話しします。「うつ状態に入る」とはどういうことなのでしょうか。また具体的に、うつ状態とはどのような状態のことなのでしょうか。
うつ状態というものは誰でも経験したことがあると思います。
例えばとても大切な人や家族、ペットが亡くなってしまった時や失恋した時はうつ状態になっていることもあるでしょう。
ここで言ううつ状態の症状とは、
- 不安が強くなる
- とにかく落ち込んで無気力になる
- 過去のことにばかり悩んでしまう
- 環境が変わってついていけず、落ち込む
などです。このようにショックな出来事によってひどく落ち込むのは、よくあることです。時間が経つにつれ、個人差はあれどどんどん症状が緩和していきます。自然と日常生活に戻っていけるでしょう。
うつ病への発展
しかし、うつ状態に陥った原因を明確にできず、うつ状態をただの体調不良、気合が足りないから落ち込んでいるなど見当違いな解釈をしてしまうと、うつ病になる可能性もあります。
もちろん不幸が重なり圧し潰されてしまったという不運なケースもありますが、上記のケースは多いと言わざるをえません。
一歩間違えないようにしていただきたいですが、うつ状態ですとその判断がなかなかできないのも事実。難しいところです。
うつの状態から抜け出す方法は1つだけ。うつ状態になった理由を明確にし、向き合ってきちんと解決していくことです。
うつ状態の原因が悲しいことなら、思いきり悲しみましょう。涙が枯れるまで、また涙が出ないなら大声を出して泣き声を出しましょう。とにかく身体の中にあるうつを体内から追い出しましょう。ただその日追い出したとしても、翌日またうつ状態が元に戻っている場合があります。しかしそれはうつ状態が復活したわけではなく、まだ身体の中にうつが残っているだけです。そうしたらまた向き合い、思い切り泣きましょう。
うつ状態の原因から目を背け、解放されるような行動をしなければ、いつまでもうつ状態から抜け出せなくなってしまいます。
うつ病の症状の1つ
原因が分かっているものは、向き合えば改善していきます。しかしこれといった理由が思い当たらないままうつ状態に入ることもあります。このような状態は、うつ病の症状の1つである「うつ状態」になっていると考えられます。これは、ただのうつ状態とは違います。
根本的が原因が自分自身では分からないのに、原因を追究する気力が起こることはありません。これを放っておくとどんどん深刻になっていき、重症化していきます。最終的に手がつけられない状態になる場合もあるのです。
もしただのうつ状態ではないと思ったら、早めに病院などへ相談にいきましょう。
うつ病と気持ちの落ち込みの見分け方
うつ病の症状と「気分が落ち込んでいる」というのは、非常に似ています。この違いの見分け方は「気持ちの落ち込み」が何週間も続いているか、通常の業務に支障をきたすレベルの心身症状が出ているかです。
ここで具体的に、うつ病の精神面の症状を挙げます。
- 物事を前向きに考えたり行動できない、早く動けない
- 集中できない、仕事を上手く進められない
- 人と接するのが億劫
- 人と会いたいと思えない
- 悲観的な考えしかでてこない、またはそれが頭から離れない
身体面での症状では
- 頭痛やめまい
- 眠れない
- 消化器系の調子が悪い
- 食欲が出ない(もしくは異常な食欲)
- 便秘
- のどがよく渇く
- 肩こりや腰痛がひどい
- 手足が痺れる
- 暑くもないのにだらだらと大粒の汗をかく
- 動悸や息切れ
- 女性の場合は生理不順
などが挙げられます。
もし上記の症状が何週間も、重度に出ているのであれば、何度も申し上げて申し訳ございませんが、心療内科の受診をおすすめします。
うつ病:まとめ
うつ病の原因や治療法、うつ病かもしれないと思った方向けのチェックリストや対策法もご紹介しました。
うつ病は何より、早期に治療を受けることが大切です。この記事の中でも何回もお話ししてしまいましたがぜひ、自分や家族の状態について気になる方はお近くの医療機関へ受診してください。
勇気が出ない、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。そういった方はまず、近しい人に打ち明けることも大切です。何も恥ずかしいことではありません。
ぜひ、頼れるところから少しずつ、相談いただけたらと思います。