SNSの誹謗中傷が原因で起こる悲しい事件が増えています。
SNSは不特定多数の人に情報を発信して交流する場所であり、自分を表現する最適なツールですが、時として言葉の暴力が生まれてしまう場所でもあります。
大人でさえSNSで誹謗中傷を行っている今、子どもたちも興味本位で人を傷つける言葉を発してしまっていると思います。今回は、SNSの誹謗中傷から身を守る方法をご紹介します。
1. 国が行うインターネット上の誹謗中傷への対策
SNS等の普及に伴い、インターネット上で気軽に自由なコミュニケーションを行うことができるようになりました。その一方、匿名のまま不特定多数に向けて特定個人の誹謗中傷を書き込んだり、特定個人のアカウントに対して一方的に誹謗中傷のメッセージを発信したりする事例が発生しています。
誹謗中傷への対策として、日本では総務省において、発信者の情報開示のあり方が議論されています。ヤフー、グーグル、LINE、Twitterなどのプラットフォーム事業者や事業者団体からヒアリングを行い、どのような対策を取るか話し合われています。
2. #No Heart No SNS「ハートがなけりゃSNSじゃない!」
SNS上の誹謗中傷に対して、今できる対策がまとめられている特設サイトがあります。
https://no-heart-no-sns.smaj.or.jp/
【#No Heart No SNSで紹介されている対策】
#No Heart No SNSで紹介されている3つの対策をご紹介します。
2-1. ブロックやミュートで距離を置く
SNSには、見たくない投稿を見ないようにするための「ブロック」や「ミュート」機能があります。誹謗中傷してくる相手は、あなたにとって大切な相手ではないと思います。大切なのは、家族や親友、先生などあなたの味方になってくれる存在です。あなたを傷つけようとする人から、少し距離を置きましょう。
Instagram:関わりたくないアカウントをブロックできます。
Twitter:「ブロック機能」でツイートを見せる相手を限定することができます。
「ミュート機能」でアカウントをブロックせずに、そのアカウントからの通知またはタイムラインでのツイートを非表示にできます。
LINE:友達になった相手とのつながりを拒否する方法としてブロック機能があります。ブロックしても相手には伝わらず、相手からのトークや通話が受信できなくなります。
2-2. 自分で削除依頼をする
削除依頼は有名人がやっているイメージですが、「通報」や「問い合わせ」からサービスの運営者に伝えることで、ルール違反の投稿の削除を依頼することができます。
〈削除の依頼手順〉
①削除依頼をしたい投稿のURLやアドレスなどを控える。(証拠となる画面や動画も保存しておく。)
②サービスの「通報」や「お問い合わせ」(削除依頼等の専用ページ)を探す。サービスによって場所が異なるので、ヘルプ等で確認する。
③「通報」や「お問い合わせ」(削除依頼等の専用ページ)が表示されたら、フォームに従って必要事項を入力する。内容を確認後、送信する。
2-3. 相談窓口や大人に相談する
SNSのことで相談できる窓口があります。恥ずかしがらず、頼れるものに頼ってみることが大事です。
・法務省インターネット人権相談受付窓口
インターネットで相談できます。SNSで誹謗中傷を受けた時に気軽に相談できます。子どもも大人も誰でも利用できます。相談フォームから送信すると、最寄りの法務局から後日メールか電話で回答がきます。
・違法・有害情報相談センター
誹謗中傷に関する削除方法のアドバイスを受けることができます。知識のある相談員が対応してくれます。【相談フォーム】から相談をしましょう。
これらの窓口は国の依頼を受けて活動しているので、無料で相談することができます。高校生以下の方は、まずは両親や学校の先生に相談するようにしましょう。必ず味方になってくれます。
3. 自分でできる対策
ここからは自分でできる誹謗中傷から身を守る方法をご紹介します。主に、自分の心の持ち方を変える方法についてお伝えします。
①ネガティブな感情をなくす
誹謗中傷によって受けたダメージは、相手から押し付けられたものなのに、そのダメージによってネガティブな感情が生まれて苦しくなってしまいます。「○○と言われた、自分は確かに○○だ、他の人も○○だと思っているに違いない」と、一人の人から言われたことが自分の評価だと思い、世間全体の評価だと感じてしまいます。そうならないように、自分の心の中のネガティブな感情をなくす努力が必要です。
②自分の感情に点数を付ける
メンタリストDaiGoさんが誹謗中傷に負けないために提案している方法です。自分が感じた怒り・悲しみ・落ち込み・苦しさなどに点数を付けます。1度採点し終わったら、もう一度点数を見直します。そうすると、1回目よりも少し冷静に見ることができるようになる、という方法です。
メンタリストDaiGoさんのYoutubeで他にもいくつかの方法を紹介していますので、自分に合う方法を見つけましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=46_6V_rNXq4
③SNSを使うのを止める
誹謗中傷は、SNSを見るからダメージを受けますし、嫌な言葉ほど何度も見てしまったり、頭の中で繰り返してしまいます。嫌な思いをするくらいならSNSをもう使わない!と決めてしまうのも一つの手です。連絡を取り合うのに必要なLINEは難しいでしょうが、FacebookやTwitterなどは使わなくても十分生きていけます。
④SNSで誹謗中傷してくる人は頭がおかしい人と考える
SNSで誹謗中傷してくるのは、心が歪んでいて、かつ誰からも相手にされない人です。誰かを傷つけることで、その不満を解消しようとしていたり、相手を貶めることで、優位に立とうとしています。そういう人の言葉を真に受けるのはおかしなことです。誰の言葉を信じるか、今一度考えてみましょう。
⑤SNSを安易に使わない
SNSは、「みんながやっているから私も」と便乗して始めることや、当たり前のように始めることが多いと思います。ですが、安易に使わない選択をすることがとても大事です。SNSをするよりも大切なことに時間を費やした方がいい時期もあります。みんなと同じがいいと思うこともあるでしょうが、みんなと同じじゃなくてもいいんです。SNSやりたいなと思っても、SNSに取られてしまう時間や、イヤな気分になることがあるということを考えると、安易に使わない方が賢い選択だったりします。
⑥みんなから好かれる必要はないと考える
誹謗中傷で深く悩む人の多くは、みんなから好かれたいと思っている人だと思います。なるべく好かれる人でありたいというのは誰もがそう願うことではあります。しかし、実際は人生において、2割~3割はあなたのことをよく思わない人がいると思っておいた方が気が楽になります。学校や職場などでもそうです。人生で出会った全ての人に好かれる必要はありません。一部の人のよくない言葉、今いる環境の中で受けているいじめも、人生で受ける2割~3割の被害です。あと7割~8割はみんないい人達なんだと思うと、きっと乗り越えることができます。
4. まとめ
SNSの誹謗中傷から身を守る方法をご紹介してきました。辛くて落ち込んでしまって、先が見えない状況だったとしても、自分を見つめ直して頼るべき人に頼れば自分の身を守ることができます。すぐに解決はできなくても、1年2年後は絶対によくなると信じる気持ちを持ちましょう。SNSで苦しい思いをしたら、絶対に他の人には同じことをしないようにして、より良い人生を歩んで行ってくださいね。